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スーパーボウルLIXまで2週間
スーパーボウルは、スポーツカレンダーの中で最も視聴され、最も語られる試合です。2月10日のキックオフまでに注目される10個のトピックを押さえておきましょう。
1. 3連覇への挑戦
これまでに58回のスーパーボウルが行われましたが、3連覇を達成したチームは存在しません。チーフスはNFL史上初の偉業に挑戦します。なお、「NFLの歴史で3連覇を果たしたチームはいない」と言われることがありますが、これは正確ではありません。1929〜31年にはプレーオフがなく、成績でチャンピオンが決まっていた時代に、グリーンベイ・パッカーズが3連覇を達成しました。さらに1965〜67年には、2つのタイトルが最初のスーパーボウルとなる形で再び3連覇を達成しています。しかし、「スーパーボウル3連覇」を達成したチームはこれまで存在しておらず、2連覇したチームが3年目にスーパーボウル進出を果たしたことすらありません。この点で、すでにチーフスは歴史を刻んでいます。
2. サクオン・バークリーの偉大さ
バークリーは今シーズン、驚異的な活躍を見せています。ジャイアンツでの苦境を脱し、イーグルスでの初シーズンで、ランニングバックとして歴史に残るシーズンを過ごしました。バークリーはレギュラーシーズンで2,000ヤード以上を記録し、シングルシーズンのラッシング記録を破る可能性もありましたが、18週目は出場せず休養を優先しました。この判断は、イーグルスがスーパーボウルに進出した現在、賢明だったと言えるでしょう。ポストシーズンでも支配的な活躍を続け、ワイルドカードラウンドではパッカーズ相手に119ヤード、ディビジョナルラウンドではラムズ相手に205ヤードを記録。さらにNFCチャンピオンシップでは、最初のキャリーで60ヤードのタッチダウンを決めました。バークリーはスーパーボウルであと30ヤードを記録すれば、テレル・デービスの「シーズン通算プレーオフを含む最多ラッシングヤード記録」を破ることになります。
3. トム・ブレイディ、解説者デビュー
1億3000万人もの視聴者がテレビでゲームを観戦するスーパーボウルでは、実況放送そのものも注目の的です。今年は特に、フォックスと3億7500万ドルの契約を結んだトム・ブレイディが初めて解説者として登場することが話題です。ブレイディは選手時代に10回スーパーボウルに出場し、これはNFL最多記録です。クォーターバックとしては非常に慣れた場でしたが、解説者として最大の試合に臨むプレッシャーにどのように対処するのか注目されます。
4. ビク・ファンジオ、リングを目指す
ファンジオは24シーズンにわたりディフェンシブコーディネーターやヘッドコーチを務め、NFL屈指のディフェンスの頭脳として知られています。彼のキャリアは1979年の高校アシスタントから始まりましたが、これまでスーパーボウル優勝を経験していません。イーグルスのディフェンスは今シーズン驚異的で、総獲得ヤード1位、失点2位を記録しました。ファンジオの偉大なキャリアに注目が集まるのは間違いありません。
5. ニューオーリンズへの帰還
今年の開催地ニューオーリンズは、マイアミと並び最多のスーパーボウル開催回数(11回)となります。また、開催スタジアムで見ると、シーザーズ・スーパードームが最多(8回)となります。前回ニューオーリンズで開催されたのは2013年2月のスーパーボウルXLVIIで、ボルチモア・レイブンズがサンフランシスコ・49ersを破った試合として知られています。この試合では停電で約30分遅延するハプニングもありました。さらに今年、ニューオーリンズでは元旦にピックアップトラックがバーボンストリートで歩行者の群れに突っ込む事件が発生しており、スーパーボウル期間中のセキュリティが大きな話題となるでしょう。
6. 審判への不満
現在、チーフスの試合を見ると必ずと言っていいほど審判の判定に関する議論が起こります。一部のファンは「審判がカンザスシティに有利な判定をしている」と信じており、50/50の判定がチーフスに有利に働くたびに、SNS上で批判が噴出する状況です。スーパーボウルのように巨大な視聴者層を抱える試合では、このような声がさらに増幅されることは避けられません。「Chiefs Derangement Syndrome」と呼ばれる、チーフス王朝が審判の偏りによって支えられているという主張も引き合いに出されるでしょう。この議論は試合が始まる前から活発に行われるはずです。
7. ジェイレン・ハーツの奇妙な旅路
ハーツは2シーズン前、MVPとスーパーボウルMVPのどちらにも手が届かなかったものの、将来を期待されるスター選手として頭角を現しました。今シーズン、彼は決して悪くはありませんが、目覚ましいパス成績を残したわけでもありません。イーグルスは昔ながらのランニング攻撃と堅固なディフェンスを特徴とするチームであり、クォーターバック中心の分析が主流のNFLにおいては、ハーツがスーパーボウル進出の大きな理由ではないという点が少し奇妙に感じられるかもしれません。
8. A.J.ブラウンと絶えない論争
プレーオフの試合中、サイドラインで本を読んでいる姿を見られたブラウンは、「イライラしているのか」と聞かれ、こう答えました。「なんでみんな、俺がイライラしてるって思うんだ?」ブラウンは常に何かしらの論争に巻き込まれる選手として知られています。それは部分的に、フィラデルフィアのファンやメディアの過熱ぶりが原因です。シーズン終盤、イーグルスのパス攻撃が改善する必要があると発言した際も、「ジェイレン・ハーツと不仲なのでは?」と数日間にわたって報じられました。ブラウンはスーパーボウルLIXのキープレーヤーの1人であり、大会前の話題にもなるはずです。また試合前に何かしらの「論争」が巻き起こる可能性も高いでしょう。
9. NFLの新たな「悪役」
チームが勝ちすぎると、ファンはそれを嫌うようになります。10年前のニューイングランド・ペイトリオッツがその例であり、今ではカンザスシティ・チーフスがそのポジションに立っています。チーフスの「罪」はただ勝ち続けていること。それだけで、多くのNFLファンが彼らに嫌悪感を抱いています。アンディ・リードが初めてスーパーボウルを制した時や、ダイナミックな新星クォーターバックのパトリック・マホームズが注目を浴びた頃は、サクセスストーリーとして歓迎されていました。しかし今では、嫉妬や反感が増し、スーパーボウル前にはイーグルスがアンダードッグとして皆から応援される状況が予想されます。
10. ハウィー・ローズマンの成功の青写真
イーグルスのゼネラルマネージャーであるハウィー・ローズマンは、NFLメディアから高く評価されています。彼はドラフト戦略でジェイレン・カーターのようなNFL屈指のディフェンダーを生み出し、サクオン・バークリーの獲得によって今シーズンのイーグルスの方向性を大きく変えました。また数年前のA.J.ブラウンのトレードも明らかな「掘り出し物」でした。ローズマンの先見性は、他のチームが真似するのは非常に難しいようです。
本記事は、元記事「yahoo!sports」を参考に翻訳・要約したものです。原文の内容はyahoo!sportsおよび著作権者に帰属します。