チーフスの判定問題:今シーズンのカンザスシティにまつわる主要な論争

スーパーボウルLIXの話題は、チーフスの3連覇への挑戦や、イーグルスのNFC制覇ではない。それは「審判」だ。

NFLファンは、チーフスの試合中にソーシャルメディアへ駆け込み、審判がチーフスをひいきしているという主張を投稿することを習慣にしている。この流れはシーズンを通して続き、プレーオフでは爆発した。

ここでは、今シーズンのチーフスに関する主要な審判の判定論争を振り返る。


第1週:レイブンズのアウト・オブ・バウンズ判定

この判定自体は大きな論争にはならなかった。ライクリーがシーズン開幕戦の最後のプレーでタッチダウンをキャッチしたかに見えたが、リプレイではわずかにラインを踏んでいたことが確認された。とはいえ、これが今シーズンの「際どい判定がすべて彼らに有利に働く」という流れの始まりだった。

ただし、この試合では、ディフェンスコーディネーターのスティーブ・スパグノーロがタイムアウトを要求し、それが認められたことが論争を呼んだ。コーチはタイムアウトを要求できないため、これはルール違反だった。


第2週:ベンガルズ戦の第4ダウンでの反則

この判定はより主観的なものだった。23-25で試合終盤、チーフスが2点差で負けており、シチュエーションは4th&16yd。マホームズが投じたパスに対し、ベンガルズのセーフティーがパスインターフェアの反則を取られた。結果、チーフスはFGを決めて逆転勝利を収めた。

リプレイではアンソニーがやや早くコンタクトしたようにも見えたが、微妙な判定だった。試合後、ベンガルズのCBテイラー=ブリットは「彼(アンソニー)はいいプレーをしたと思う。もしかしたら少し早かったかもしれないが、自分も同じようにプレーしたと思う」とコメントした。


第3週:カイル・ピッツへのパスインターフェアが見逃される

チーフスがファルコンズに勝利した試合の終盤、セーフティーのブライアン・クックが明らかにエンドゾーンでカイル・ピッツにパスインターフェアを犯したが、審判は反則を取らなかった。

試合後、レフェリーのトラ・ブレイクは「リアルタイムでの判断が必要なプレーだった。審判はその時の角度から見て反則がなかったと判断した」とコメント。しかし、多くのファンや解説者は、この判定を疑問視した。


第9週:チーフスのタッチダウンプレーでフォルススタートが見逃される

チーフスのタックル、ジャワーン・テイラーは2023年にNFLで最も多くの反則を取られた選手であり、2024年も2番目に多い。それでも「彼のホールディングやフォルススタートは見逃されがちだ」とファンの間では不満が高まっていた。

特に注目されたのは、バッカニアーズ戦のオーバータイムでのプレーだった。リプレイでは明らかにテイラーがフォルススタートしていたが、審判はスルー。その後、トラビス・ケルシーが2ヤードラインまで前進し、次のプレーで決勝TDが決まった。

このプレーはESPNの放送でも指摘され、多くの人の目に留まった。


第16週:テキサンズ戦の「幻の」オフェンシブ・パスインターフェア

土曜日のナショナルゲームで、テキサンズのWRタンク・デルにオフェンシブ・パスインターフェアの反則が取られたが、リプレイではほとんど接触が確認できなかった。このペナルティにより、テキサンズの攻撃は後退し、最終的にインターセプトでドライブを終了した。

この判定は試合の流れを決めるものではなかったが、チーフスに有利な判定が続く中、ファンの不満はさらに高まった。


ボーナス:2つの歴史的プレーオフ論争

① 2022年AFCチャンピオンシップ:マホームズへのレイトヒット

ベンガルズ戦の終盤、DEジョセフ・オサイがサイドライン際でマホームズを押したことで、レイトヒットの反則が取られ、チーフスに決勝FGのチャンスを与えた。オサイ自身は「クォーターバックがサイドラインに近づいたら、絶対に近づかないようにしないといけない」と認めたが、ファンの間では「チーフスに有利な判定だった」との声が上がった。

② スーパーボウルLVII:イーグルス側のホールディング

スーパーボウルの終盤、チーフスのWRスミス=シュースターに対して、イーグルスのCBブラッドベリーがホールディングの反則を取られた。この反則が決定打となり、チーフスがゲームを支配する形になった。

しかし、ブラッドベリー自身は「ホールディングだった。ジャージを引っ張った。審判がそれを見て、反則を取った」と認めた。しかし「なぜあそこで反則を取ったのか」という議論は続いた。


プレーオフでの大論争

ディビジョナルラウンド:ヒューストン戦での疑惑のラフィング・ザ・パサー

QBを守るルールが厳格化されているが、それでもヒューストン戦でのラフィング・ザ・パサーの判定は疑問視された。

1つ目は、ウィル・アンダーソンJr.がマホームズにヒットした際、接触はわずかだったが、15ヤードのペナルティが科された。

2つ目は、マホームズのスライドに対して、テキサンズの2選手が接触したが、実際には2人が互いに衝突していた。にもかかわらず、ペナルティが取られた。

トロイ・エイクマンは放送中にその判定に対して聞こえるほどの不満の声を上げ、試合後にはテキサンズも判定に対する不満を隠しませんでした。

テキサンズのDEアンダーソンは「この試合は審判との戦いになると最初から分かってたよ」と発言し、2万5,000ドルの罰金が科されました。


AFCチャンピオンシップの物議

試合終盤の2つの判定が物議を醸した。

1つ目は、WRワーシーのキャッチ。ボールを確保していたのか、地面に触れていたのかが問題となったが、審判はキャッチと判断。

2つ目は、ジョシュ・アレンのQBスニーク。リプレイでは「微妙な位置」だったが、審判は1stダウンに届いていないと判断し、チーフスが攻撃権を得た。

スーパーボウルでチーフスに有利な判定が出れば、間違いなく大論争となるだろう。

Mandatory Credit: yahoo!sports Images

本記事は、元記事「yahoo!sports」を参考に翻訳・要約したものです。原文の内容はyahoo!sportsおよび著作権者に帰属します。

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