スーパーボウル2025:チーフスは新たなペイトリオッツなのか?

あなたはスーパーボウルLIXでカンザスシティ・チーフスの敗北を願っている。それは誰もが知っていることだ。そして、チーフスの選手たち自身もそれを理解しているはずだ。

「人々はチーフスを嫌っているの?」

タイトエンドのトラビス・ケルシーは、スーパーボウル・オープニングナイトの月曜日、満面の笑みを浮かべながらそう言った。「そんなこと知らなかったよ」

ほとんどのNFLファンにとって、このスーパーボウルには明確な「悪役」と、まあ、比較的応援しやすいチームがいる。フィラデルフィア・イーグルスを”少しは好感の持てるアンダードッグ”に仕立てるのは簡単ではないが、チーフスはそれを可能にしてしまった。

なぜ、こんなことになったのか?

ほんの数年前まで、チーフスは”応援したくなるチーム”だった。若きクォーターバック、パトリック・マホームズの登場に、多くの人が歓喜した。マホームズは、これ以上ないほど親しみやすいスーパースターだし、ヘッドコーチのアンディ・リードも同様だ。カンザスシティのファンも、特に横柄な態度を取るような印象はなかった。

「俺たちは正しいやり方でフットボールをプレーしていると信じている。情熱を持って戦っているんだ」とマホームズは語る。

しかし、チーフスは勝ち続けた。

そして、6シーズンで5回のスーパーボウル出場という歴史的な快進撃の中で、他のチームのファンたちはチーフスを嫌うようになった。

だが、チーフス側はそのことを特に気にしていない。ニューヨーク・ヤンキースの伝説的選手レジー・ジャクソンがかつて言ったように——「誰も無名の奴をブーイングしたりはしない」

「俺は”悪役”と呼ばれるのも嫌いじゃないよ」とコーナーバックのトレント・マクダフィーは言う。「それには特有の”スワッガー”(自信)があるし、それに加えて、自分たちが頂点にいることの証明にもなる。誰も、うまくいっていないチームをわざわざ嫌ったりしないからね」

チーフスは新たなペイトリオッツなのか?

最近、SNSでは「自分たちはペイトリオッツをそこまで嫌ってはいなかった。でもチーフスは違う」という声が散見される。しかし、それは記憶違いだ。トム・ブレイディ時代、ペイトリオッツが勝ちすぎていた頃、ほとんどのファンは彼らを嫌っていた。

「俺は子供の頃カウボーイズのファンだったけど、ペイトリオッツのことが大嫌いだったよ」とマホームズは語る。「でも、今になって、彼らの偉業をより深く理解できるようになった。あれを成し遂げるのがどれほど難しいかが、よくわかる」

ペイトリオッツ時代には「スパイゲート」や「デフレートゲート」といったスキャンダルがあったが、チーフスにはそうした明確な問題はない。しかし、多くのファンは「審判がチーフスを贔屓している」というナラティブ(物語)を信じるようになった。実際、いくつかの判定がチーフスに有利に働いたことはあるが、それらの50/50の判定がすべて「陰謀の証拠」として扱われるのは、驚くべきことだ。

NFLコミッショナーのロジャー・グッデルですら、「審判がチーフスを贔屓しているというバカげた理論」について言及せざるを得なかった。

「俺たちはプライムタイムの試合が多いから、それが”直近の印象”になってしまうんだ」とセーフティのジャスティン・リードは言う。「でもフットボールはフットボールだ。みんな同じルールのもとで戦っているし、試合に勝つために実行力を発揮するだけさ」

「笑うしかないよ」とチーフスのオーナー、クラーク・ハントはNFLネットワークの取材に答えた。「NFLの全チームが必死に勝利を競っているんだ。そして、審判もベストを尽くしている。統計を見れば、俺たちが不利な判定を受けたケースも多々ある。だから陰謀なんてものは存在しない。

これがスポーツの本質だ。そして、成功すればするほど、人々はその理由を”言い訳”として語りたがるものさ」

史上初のスリーピートへ

もちろん、チーフスは目前の試合に集中している。だが、彼らは”一戦必勝”のマインドセットを崩していない。

「毎週毎週、俺たちは”1-0マインドセット”で戦っている。“顔のない対戦相手”と向き合うようなものさ」とマクダフィーは言う。「スリーピートが目標であることは確かだけど、それについて特別に話すことはない。毎週が新しいチャレンジであり、新たなチャンスなんだ」

その結果、彼らはまたしても素晴らしいシーズンを送った。レギュラーシーズンでは15勝2敗を記録(最終戦は主力を温存)。プレーオフではヒューストン・テキサンズ、バッファロー・ビルズを破り、再びスーパーボウルへと駒を進めた。

これはペイトリオッツの黄金期と同じくらい、いや、それ以上に歴史的な快挙だ。

たとえ、それを素直に称賛できるファンが少なかったとしても——

「もし、フットボールの試合に勝つことが”悪役”になるってことなら、俺たちはこれからも勝ち続けるだけさ」とマホームズは言った。

Mandatory Credit: yahoo!sports .com Images

本記事は、元記事「yahoo!sports .com 」を参考に翻訳・要約したものです。原文の内容はyahoo!sports .com および著作権者に帰属します。

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中村富士郎

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