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試合には常に鍵となる要素がある。そして今回は、フィラデルフィア・イーグルスがカンザスシティ・チーフスの歴史的偉業を阻止しようとする、シーズン最大の試合である。
当然、パトリック・マホームズやサクオン・バークリーといった主力選手が注目される。しかし、ここではそのような”明らかな”選手ではなく、スーパーボウルLIXで大きな影響を与える可能性のある”影のキープレイヤー”を紹介する。
チーフス
オフェンス:LT(左タックル)ジョー・トゥーニー#62
どのチームでも、左タックルはクォーターバックに次いで重要なポジションと言われることがある。だから、マホームズの左タックルをXファクターに挙げるのは当然かもしれない。だが、実はトゥーニーは本職の左タックルではない。彼は本来ガード(内側のポジション)であり、センターのクリード・ハンフリー、右ガードのトレイ・スミスと共にリーグ最高レベルのインテリア・オフェンシブラインを築いてきた。チーフスはここ数年、タックルのポジションを頻繁に入れ替えてきたが、彼らの活躍のおかげでマホームズを守れていた。しかし、今季は怪我人が続出し、ついにチーフスはトゥーニーを左タックルにコンバートせざるを得なくなった。それが起こったのは第15週のことだった。PFFの評価では、彼のパスブロックのスコアは当初43.5だったが、第17週には68.2に向上している(第18週はプレーオフに向けた温存でスナップ数が少ない)。ディビジョナル・ラウンドではチーフスのOLが3サックを許し、トゥーニーも1サックを喫した。しかし、AFCチャンピオンシップゲームでは見事な修正を見せ、1度のQBヒットも許さず、プレッシャーすら与えなかった。マイルズ・ギャレット、T.J.ワット、ウィル・アンダーソンといった強力なパスラッシャーと戦いながらも、十分に対抗してきたのだ。
フィラデルフィアの強力なディフェンスラインを相手に、トゥーニーが再び安定したプレーを見せることができるかが、チーフスのスリーピート(3連覇)成功の鍵を握っている。
ディフェンス:LB(ラインバッカー)ニック・ボルトン#32
イーグルスを止めるには、まずバークリーを止めることが最優先となる。しかし、それはほぼ不可能に近い。バークリーは今季、14試合で100ヤード以上を記録し、そのうち2試合では200ヤードを超えている。ディビジョナル・ラウンドのラムズ戦でも205ヤードを記録した。現在、シーズン(プレーオフ含む)のラン獲得ヤード記録更新まであと30ヤードに迫っており、それはほぼ確実に達成されるだろう。それでも、カンザスシティはバークリーをできる限り抑えなければならない。そのためには、イーグルスの多彩なオフェンス(バークリーのラン、QBジャレン・ハーツのラン、WR A.J.ブラウンとデボンタ・スミスのパス攻撃)に対応できる選手が必要になる。そこでカギを握るのがニック・ボルトンとチーフスのラインバッカー陣だ。Next Gen Statsによると、チーフスは今季リーグで最もタックルミスが少ないチーム(ミスタックル率10.7%)だった。特にランディフェンスにおいては、ミスタックル率は8.6%とさらに優秀な数字を誇る。
この結果、相手のボールキャリアに対し、ブロックされた状況(ディフェンダー数とブロッカー数が同じかブロッカーが多い)でも4.1ヤード/キャリーに抑えている。これはリーグ5位の好成績だ。バークリーはこうした”スタックドボックス”(守備が密集した状況)でも高いパフォーマンスを発揮できるが、チーフスのディフェンスが機能すれば、イーグルスのオフェンスを一面的なものにすることができるかもしれない。
イーグルス
オフェンス:WR(ワイドレシーバー)デボンタ・スミス#6
バークリーのラン、ハーツのスクランブル、A.J.ブラウンのプレー…チーフスはこれらの要素をすべて守らなければならない。そして、その影に隠れた存在となるのがデボンタ・スミスだ。今季のスミスは68キャッチ、833ヤード、7TDを記録。1キャッチあたりの平均ヤード(12.3ヤード)はキャリア最低となったが、それでも彼は依然として危険な存在だ。特にサイドライン際でのプレーに秀でており、ポストシーズンを含めると、スミスは外側のレシーブで40回のキャッチ、504ヤードを記録している。Next Gen Statsによれば、彼のサイドライン際での”予想以上のヤード獲得”は111ヤードで、リーグ6位となっている。
A.J.ブラウンにトレント・マクダフィーがつく場合、スミスはチーフスのCBジェイレン・ワトソンとマッチアップすることになる。その場合、スミスが優位に立つ可能性が高い。
ディフェンス:FS(フリーセーフティ)リード・ブランケンシップ#32
チーフスを倒す最も効果的な方法は?それは”マホームズをフィールドに立たせないこと”だ。フィラデルフィアのディフェンスは全ポジションで強力だが、ブランケンシップがターンオーバーを奪うことができれば、さらに有利に試合を進められる。今季、彼は4つのインターセプトを記録し、キャリア通算数を倍に伸ばした。さらに、NFCチャンピオンシップゲーム(対コマンダース)ではファンブルリカバー、ワイルドカードラウンド(対パッカーズ)ではファンブルフォースを記録している。チーフスは今季、タイムオブポゼッション(攻撃時間)で4分以上負けた試合が2試合あったが、どちらも敗北している。ターンオーバーバトルでも4回負け、そのうち1試合は落としているが、勝った3試合も第4Qでの逆転勝利だった。
つまり、イーグルスがマホームズを封じ込めるには、ブランケンシップがターンオーバーを生み出すことが極めて重要となる。
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