
はじめに
2025年のNFLスカウティング・コンバインを振り返りながら、確定した測定値やフィールド上でのパフォーマンスに基づいてビッグボードを調整していく。ポイントは、フィルムで見たものよりも高いレベルの特性が確認されたか、あるいは予想外の能力が発見されたかである。以下、コンバインの結果を受けて評価が上がった選手たちを紹介する。
1.S ニック・エマヌウォリ(サウスカロライナ大学)
ニック・エマヌウォリが優れたアスリートであることは分かっていたが、インディアナポリスでのスカウティング・コンバインでは、“稀に見るレベル” のアスリートであることを証明した。6フィート3インチ(約190cm)、220ポンド(約99.8kg)の体格で、ブロードジャンプは11フィート(約3.35m)を超え、垂直跳びは43インチ(約109cm)、40ヤード走は4.38秒という驚異的な数値を記録した。このような身体能力を持つ選手を見過ごすべきではない。ディープセーフティとしてのカバレッジ時の動きには若干の懸念があるものの、ハイブリッドなS/LBとして活躍できる可能性がある。
2.OT アーマンド・メンボー(ミズーリ大学)
メンボウはコンバインでのパフォーマンスにより、トップOLの1人としての評価を確立した。身長330ポンド(約149.7kg)、腕の長さ33.5インチ(約85.1cm)というフレームを持ち、40ヤード走を4.91秒で走破。さらに、ベンチプレスでは31回を記録した。彼の90.6のブロックグレードは、昨シーズンの成長を示すものであり、コンバインでの運動能力テストでもそれが裏付けられた。現在の評価ではドラフトトップ10に入る可能性が高く、ニューイングランド・ペイトリオッツの4位指名も現実的な範囲に入っている。
3.CB マックスウェル・ヘアストン(ケンタッキー大学)
2024年のプレー映像を分析した際、彼の動きにはやや躊躇が見られ、外側のCBとして求められる回復スピードに不安を感じた。しかし、彼はシーズンを通して肩の負傷を抱えてプレーしていたことが判明。コンバインではブロードジャンプと垂直跳びで素晴らしい成績を記録し、さらに今年の全選手中最速の40ヤード走を記録したことで、彼のスピードが問題ではなかったことが証明された。2023年のパフォーマンスに近い形でNFLでも活躍できると考えられる。
4.RB クインション・ジャドキンス(オハイオ州立大学)
2025年のRBクラスは層が厚いが、それでもジャドキンスは際立った存在となった。6フィート(約183cm)、220ポンド(約99.8kg)という体格で、40ヤード走を4.48秒で駆け抜け、ブロードジャンプでは11フィート(約3.35m)を記録。これは、彼のサイズとパワーを考えれば驚異的な爆発力を示す数字だ。オレミス時代の1、2年生時の活躍、そしてこの1年間の成長を考慮すると、彼はこのクラスでRB3の評価を得ることになりそうだ。
5.EDGE ドノバン・エゼイルアク(ボストンカレッジ)
エゼイルアクはすでにPFFのトップ30に入っていたが、コンバインの結果によりさらに評価が上昇した。245ポンド(約111.1kg)を超える体重で計測されたにもかかわらず、ショートシャトルやスリーコーンドリルで90パーセンタイル以上のタイムを記録し、コーナリングやベンド能力の高さを証明した。また、過去3年間で44タックルフォーロス(TFL)、37サック、4パスブレイクアップ(PBU)、8ファンブルフォースを記録するなど、実績も十分。これらの要素を考慮すると、彼は1巡指名が確実な選手になりそうだ。
6.RB RJ・ハーヴィー(UCF)
ハーヴィーは昨年のバッキー・アービング(オレゴン)と似た評価を受けるランニングバックだ。アービングはPFFのビッグボードで79位にランクされていたが、実際のドラフトでは4巡125位で指名された。ハーヴィーは、過去3シーズン連続で「ミスタックルを強制する率が0.30を超える」というデータを記録しており、ディフェンダーをかわす能力に優れている。さらに40ヤード走で4.41秒を記録し、予想以上のスピードを証明した。この結果により、彼の評価はさらに上がるだろう。
7.TE テレンス・ファーガソン(オレゴン)
2025年のタイトエンドクラスは非常に層が厚いが、上位2人とされるタイラー・ウォーレンとコルストン・ラブランドがコンバインに参加しなかったため、他のTEがアピールするチャンスとなった。その中で大きく評価を上げたのがファーガソンだ。**6フィート5インチ(約195.6cm)、247ポンド(約112kg)**のサイズを持ちながら、40ヤード走4.63秒を記録。さらに垂直跳びとブロードジャンプでも良い結果を残し、シニアボウルでの活躍と合わせて評価を上げた。上位2人には及ばないものの、エリヤ・アロヨ(マイアミ)やメイソン・テイラー(LSU)と同じグループに入ったと考えられる。
8.TE CJ・ディップル(アラバマ)
ディップルはアラバマで主にブロッキングTEとして知られていた選手で、2年間のキャリアで1つもレシービングTDを記録していなかった。しかし、今回のコンバインで新たな一面を見せた。6フィート4インチ(約193cm)、257ポンド(約116.6kg)のサイズで40ヤード走4.7秒以下を記録し、フィールドドリルでも良い動きを見せた。昨年のティップ・レイマン(イリノイ)は、同じくブロッキングTEとして評価されながら、コンバインでアスレチック能力を証明し3巡指名を受けた。ただし、ディップルはレイマンほどの運動能力は持っていないため、2日目(2〜3巡)ではなく、3日目(4巡以降)の指名が濃厚だが、それでも評価は大きく上昇した。
9.IDL CJ・ウェスト(インディアナ)
2025年のインテリアDL(IDL)クラスは非常に層が厚く、3〜4巡でも即戦力クラスの選手が獲得できる。その中でウェストは、優れたサイズとアスレチック能力を証明し、評価を上げた。6フィート2インチ(約187.9cm)、316ポンド(約143.3kg)の体格で、ノーズタックル向きの低重心型。しかし、コンバインでは40ヤード走4.95秒、垂直跳び33インチ(約83.8cm)を記録し、パスラッシュ面での可能性も示した。昨シーズンの88.2のランディフェンスグレードはすでに高評価だったが、今回のテスト結果により、パスラッシャーとしての価値も認められ、3日目の指名候補からさらに順位を上げそうだ。
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