
はじめに
スーパーボウル59が終わり、NFLの全32チームが2025年シーズンに向けた準備を進めている。その中でも、最も重要なポジションであるクォーターバック(QB)の見直しを迫られているチームは多い。
2025年に新たな先発QBを迎える可能性があるチームは少なくない。NFLフリーエージェント市場が始まれば、各チームのQB戦略が見え始め、2025年NFLドラフトでベテランQBを避け、若手プロスペクトに賭けるチームも出てくるだろう。2025年のFA市場には、実績のあるQBや長年のスターター経験を持つ選手が多く並ぶ。ここでは、2025年オフシーズンのトップFA QBランキングを紹介する。
2025年NFLフリーエージェントQBランキング:トップ10
1. アーロン・ロジャース aaron rodgers(ニューヨーク・ジェッツ)
ロジャースはまだジェッツを正式にリリースされていないが、2025年リーグイヤー開始前には放出される予定だ。4度のMVP受賞者であるロジャースは、ジェッツでの2年間は決して順風満帆とは言えなかったものの、2024年シーズンにはパス成功率63%、3,897ヤード、28TD、11INTと安定した成績を残した。41歳となるロジャースは、いわゆる“ブリッジQB”(次世代QBが育つまでのつなぎ役)として機能する可能性が高い。2025年のNFLドラフトはQBが不作とされているため、ロジャースはQB不足のチームから大きな関心を集めるだろう。
2. サム・ダーノルド sam darnold(ミネソタ・バイキングス)
ダーノルドはミネソタでキャリア最高のシーズンを送り、バイキングスを14勝3敗の成績に導いた。パス成功率66.2%、4,319ヤード、35TD/12INTを記録し、パサーレーティング102.5は自身最高であり、NFL全体でも6位の成績だった。しかし、シーズン終盤の最後の2試合で失速。その間の成績は43/81(成功率53.1%)、411ヤード、1TD/1INTと低調で、バイキングスの得点は各試合わずか9点にとどまった。この不調が27歳の市場価値をやや下げる要因にはなるが、それでも2025年シーズンの先発QBの座を獲得する可能性は高いだろう。
3. ジャスティン・フィールズ(ピッツバーグ・スティーラーズ)

フィールズは2024年シーズン、ラッセル・ウィルソンの負傷(ふくらはぎ)により、開幕6試合で先発。結果、4勝2敗と自身初の勝ち越しを記録。ただし、ウィルソンの復帰後は控えに回った。フィールズはNFL史上1,000ヤード超えを達成した3人のQB(マイケル・ヴィック、ラマー・ジャクソンと並ぶ)の一人であり、2025年のFAでは26歳と若いことも評価され、まだ成長の余地がある選手として注目を集めるだろう。
4. ラッセル・ウィルソン(ピッツバーグ・スティーラーズ)

ウィルソンはスティーラーズでの最初の7試合で6勝1敗と好調なスタートを切り、復活の兆しを見せた。しかし、シーズン終盤に失速し、最後の5試合で全敗。その期間中、チームの平均得点はわずか12.2点と低迷した。それでも、ウィルソンはスーパーボウル優勝経験者であり、10回のプロボウル選出を誇る。2024年シーズンの成績は6勝5敗と勝ち越しており、低リスクのストップギャップ(つなぎ役)QBとしての価値は十分にある。
5. ダニエル・ジョーンズ daniel jones(ミネソタ・バイキングス)

ジョーンズはジャイアンツでの5年間で一貫性に欠けるパフォーマンスを見せたが、2022年にはパス成功率67.2%、3,205ヤード、15TD/5INT、ラッシング708ヤード、7TDという好成績を記録し、将来の正QBとしての期待が高まった。しかし、それ以降は同様の成績を残せず、2024年シーズン途中にジャイアンツから解雇。通算70試合で47INT、50ファンブルとターンオーバーが課題となっている。ただし、ジョーンズはシーズン後半にバイキングスのケビン・オコンネルHCの下でプレーし、可能性を見せた。もしサム・ダーノルドがFAで移籍すれば、バイキングスは2024年の1巡指名QB J.J.マッカーシー(ルーキーイヤーを膝の負傷で全休)の成長を待つ間、ジョーンズをブリッジQBとして起用する可能性がある。
6. マーカス・マリオタ marcus mariota(ワシントン・コマンダーズ)
2024年シーズンの出場機会は限られたが、元2015年ドラフト全体2位の実力を発揮。先発QBジェイデン・ダニエルズの負傷時に34/44(成功率77.3%)、364ヤード、4TD/0INT、ラッシング92ヤード、1TDという好成績を残した。この活躍はクリフ・キングスベリーOCのQBに優しいシステムの恩恵とも考えられるが、10年目にしてようやく安定感を見せ始めた可能性もある。アスレチック能力、正確性、リーダーシップの3拍子が揃い、プレーオフを狙うチームやQB不足のチームの優秀なバックアップとして需要がありそうだ。
7. ジャコビー・ブリセット Jacoby Brissett(ニューイングランド・ペイトリオッツ)

経験豊富なバックアップQBで、通算53試合の先発で53TD/24INTと堅実な成績を残している。通算19勝34敗と勝率は低いものの、歴代最低のINT率(1.4%)を誇るアーロン・ロジャースと並ぶほど、ターンオーバーの少なさが魅力。2024年はペイトリオッツで5試合に先発(成功率59%、826ヤード、2TD/1INT)。ただし、チームのサポートが足りなかったため、プレーオフを狙うチームのバックアップとしての役割が最適だろう。
8. ジェイミス・ウィンストン Jameis Winston(クリーブランド・ブラウンズ)
ブリセットとは対照的に、リスクとリターンの大きい”ガンスリンガー”タイプのQB。2024年はブラウンズでパス成功率61.1%、2,121ヤード、13TD/12INTと波が激しかった。2024年の「マンデーナイトフットボール」の試合では、497ヤード、4TDと爆発的な活躍。しかし3INT(試合終盤に致命的なピック6)。このプレースタイルを考えると、優勝を狙うチームのバックアップとしてはリスクが高く、むしろ若手を育てつつ盛り上がりを求めるチームに適した存在だろう。
9. クーパー・ラッシュ cooper rush(ダラス・カウボーイズ)

14試合の先発経験を持ち、9勝5敗の勝ち越し記録。キャリア通算でパス成功率60.7%、3,463ヤード、20TD/10INTと安定感がある。エリート級の能力はないが、優れたバックアップQBとして、強力なロスターのチームを支えられるタイプだ。ただし、トップレベルのディフェンス相手には苦戦しがちなのが課題。
10. カーソン・ウェンツ carson wentz(カンザスシティ・チーフス)
2017年にMVP投票で3位に入るなど、かつてはリーグを代表するQB候補と見られていたが、現在は32歳のジャーニーマンQB。通算94試合に先発(47勝46敗1分)、153TD/67INTと経験豊富なものの、2024年の活躍は限定的だった。ただし、アンディ・リード(チーフス)やショーン・マクベイ(ラムズ)といった名将の下で学んできた経験があるため、バックアップQBとしては魅力的な選択肢となるだろう。
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